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執筆者の写真司法書士あんしん相続

岐阜市民のための相続ガイド③遺産分割~各種手続・名義変更

更新日:2020年12月18日

【記事公開日】令和2年11月6日

【最終更新日】令和2年12月18日(目次追加)


本記事では、家族が亡くなったときにすべき手続きをまとめました。手続きの全体を把握することを目的とし、各手続きの詳細はリンクから確認できるようにしています。

岐阜市内の方向けに、行政手続きについては市役所や関係機関へのリンクも掲載しています。

分からないところがあれば司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。当事務所の詳細・予約リンクは最下部に掲載しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

【岐阜市民の相続ガイド 記事リンク】

 

3.遺産分割~各種手続


【目次】

 

①相続人を確認する
相続の流れ

遺産相続でまず始めにすべきことは、相続人の確認です。民法の相続人に関しての規定をまとめると以下のようになります。文字だけだとわかりづらいですが、②の法定相続分の割合表を見るとイメージがつくと思います。


"配偶者は常に相続人となり、子どもも第1順位として相続人になる。子どもが相続前に死亡したときは孫が相続人となる。胎児は相続の権利がある。子どもや孫がいない場合、親、兄弟姉妹が第2順位、第3順位の順番で相続人になる。(民法886条から890条)"

法定相続人イメージ
②法定相続分と遺産分割

被相続人の財産については、各相続人の話し合いにより誰がどの財産を取得するかを決めること(遺産分割協議)ができます。相続のイメージとして「配偶者が2分の1、子どもたちで2分の1」といった割合が思い浮かぶかと思いますが、これは法定相続分と言われる民法で定められた割合です。基本的には下の表のようになりますが、相続人の死亡による「数次相続」「代襲相続」でより複雑な関係になることもあります。

法定相続分の割合(民法900条)


法定相続分での相続は、被相続人が死亡した瞬間に、すべての財産について個別にこの法定相続分割合で分配がなされる、という考え方になります。財産が現金だけならそれでも困らないかもしれません。ただ、家や自動車はどうでしょうか。実際に使う人や、代表者一人に名義を変えておきたいですよね。そういうわけで、現実的には遺産分割協議を行い、「○○(個別の財産)は誰々が相続する」と改めて財産の割り振りを決めていくことが多いのです。

 

【参考リンク】


 

③財産を確認する

生前に交流がなく、被相続人の遺産が不明の場合などは、住居にある書類や郵便物から財産を調査するのが基本です。債務に関しては、信用情報機関(3機関)に請求することにより、割賦販売や消費者ローン等のクレジット情報を調べることが出来ます。預金や不動産についても、金融機関や市町村ごとに照会をかけることが可能です。逆に言えば、故人が資産表を作成していない限り、一度にすべての財産を調べられる方法は今のところありません

 

【参考リンク】





 

④必要となる書類

遺産分割の後にする相続手続きでは、基本的に共通して以下の書類が必要になります。

  • 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し

  • 遺産分割協議書

  • 各相続人の印鑑証明書


戸籍謄本見本

【戸籍謄本】

基本的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(古いものは除籍、改製原戸籍などと呼ばれる)と各相続人の戸籍謄本が必要になります。戸籍謄本は対象者の本籍地を管轄する市町村役場に請求するため、被相続人が何度も転籍している場合などは複数の市役所に請求する必要があり、郵送請求するにしても結構な手間になります。


法定相続情報一覧図

【法定相続情報一覧図】

法定相続情報一覧図は、簡単に言えば戸籍一式の代わりになるものです。必ずしも取得する必要はありません。故人が複数の金融機関に口座を持っていた場合など、相続手続きの窓口に戸籍を提出する回数が多い場合に効果を発揮します。そもそも戸籍一式は被相続人の出生から死亡までの記録を辿り、法定相続人が誰かを証明するために提出しているわけですが、法定相続情報一覧図はそれらの情報がA4用紙1枚に記載されます。従来はA4用紙で数十枚にもなる戸籍一式を銀行などの窓口に提出して、その都度内容を確認してもらっていましたから、この法定相続情報一覧図を利用すれば窓口での待ち時間もかなり短くなります。



【遺産分割協議書】

遺産分割協議で話し合った結果を遺産分割協議書として書面に残し、各相続人が署名と実印押印します。インターネット上でテンプレートを探すこともできますが、それを真似するだけでは記載が不十分であることも多く、間違いがあればまた相続人に署名押印を求める手間がかかります。少しでも不安を感じたら司法書士などの専門家に相談するのが良いでしょう。


印鑑証明書

【印鑑証明書】

遺産分割協議書に押印した実印の印影を照合するために必要になります。実印がない場合は市役所で印鑑登録をするところから始めましょう。印鑑証明書の交付には印鑑登録した際に発行される印鑑カードが必要になります。これを預かっていれば、代理人でも委任状無しで取得できますが、逆に本人でも印鑑カードを持っていないと発行してもらえないので注意して下さい。また、現在はコンビニでマイナンバーカードを使って発行することもできます。

 

【参考リンク】






 

⑤各種相続手続き

必要書類が揃ったら、それぞれの財産ごとに名義変更手続きを行います。④の必要書類以外にも要求される書類がありますので、手続き先の案内をしっかりと確認しましょう。ここでは、手続き先と参考リンクのみ記載しています。



自動車

【書類の提出先】管轄(自動車の登録地)の陸運局


【参考リンク】

 

預貯金

【書類の提出先】各金融機関の窓口または相続センター


【備考】各金融機関が用意する様式が必要ですが、地銀・信金は相続の案内ページが無いことも多く、その場合は支店窓口で様式や案内書などを受け取ることになります。また、ゆうちょ銀行は他行の口座に払い戻しができない取り扱いとなっています。相続人がゆうちょの口座を持っていない場合、新たに口座を開設するか払戻証書による現金受け取りしか選択肢がないためご注意下さい。


【参考リンク】

 

証券

【書類の提出先】証券会社の窓口など


【備考】電話で資料を取り寄せ、郵送で書類を送れば済むところが多い


【参考リンク】

 

水道

【連絡先】水道局


【備考】名義変更は電話のみでOK。岐阜市は岐阜市上下水道料金センターに連絡する。


【参考リンク】

 

電気・ガス

【連絡先】契約している電気(ガス)会社


【備考】名義変更は電話のみでOKの場合が多い


【参考リンク】

 

クレジットカード

【連絡先】クレジットカード会社


【備考】カードの裏に記載されている連絡先に名義人の死亡を伝え、解約の手続きをしましょう。銀行の口座が既に凍結されている場合は、口座振替できない分を相続人が支払うことになります。

 

インターネット

【連絡先】インターネットサービスの提供会社


【備考】インターネットのフォームで手続きできる会社もあるので、「(会社名) 名義変更」等のキーワードで検索することをおすすめします。


【参考リンク】


 

まとめ

今回は相続人の確認・書類の準備・各相続手続きまで流れを説明しました。不動産などの財産だけではなく、契約の名義変更もする必要があることを忘れないようにしましょう。

次回は、遺言があるときの対応について説明したいと思います。

 

【記事を書いた人】司法書士 岩田慎也

1991年、岐阜市生まれ。県立岐阜高校、名古屋大学経済学部を卒業。22歳で司法書士試験に合格。

愛知県の司法書士事務所に約3年間勤め、毎日お客様からの相続・遺言相談に対応。

2020年、岐阜市花園町で司法書士あんしん相続を開業。


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